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ウカレウサギはお茶を一口啜り、御馳走様。とだけ云い残しさっさと何処かへ楽しそうに行ってしまった。
帽子屋が怒り収まらぬ様子でテーブルをバンッと叩くと、死んだ様に眠っていたネムリネズミがハッとした様に体を起こして辺りを見回した。
直後、バタン、と倒れ込んで寝息を立て始めた。
「全く何なんだよアイツ!」
「……ウカレウサギ、は…今日………日の……」
全てを云い切る前にネムリネズミは力尽きた。
帽子屋はネムリネズミの言葉に、アイツは浮かれ過ぎて気付いてないのか、と納得した。
一方のウカレウサギは女王の城へと向かっていた。
浮かれ過ぎた彼には首の心配なんて微塵もしていなかった。
小躍りしながら扉を開けると、中は真っ暗だった。
「おやおや、どうも此処は暗くていけないね。明かりはっと…」
あったあった、とレバーを引くと一斉に蝋燭に火が灯り辺りが薄暗く照らされた。
ウカレウサギは怖じ気付く事もなく前にも増してテンションを上げていた。
「ハハハハハハ、此処は相変わらず散らかり放題だね。実に素晴らしい!」
大声で騒いでいるウカレウサギに気付き女王が険しい表情で階段上から見下ろした。
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