吸血鬼御乱心の巻

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「スマ、一体さっきから誰と会話してるっスか?(汗)」 「…………携帯の向こうの皆様…」 「…電波だったらジズさんの家でやって下さい」 「え❗やだ❗全力で拒否る❗」 「えー、そこまで言うっスか?」 言うよ❗危ない人になんかなりたくないもん❗ 「時にアッシュ君。さっきから部屋ん中グルグル回ってどうしたの?」 なんか檻に入れられたライオンみたいだよ? いや、アッシュ君は犬…違った狼だけど 「あー、うー、それが…」 「……なに?どうしたの?」 なんかアッシュ君、キョトキョトして耳が上がったり下がったりしてるよ。 しきりに時計気にしてるみたいだし。 「………ユーリが帰って来ないんス」 「は?ユーリが?それで心配してウロウロしてたの?」 そんな、ユーリだって子供じゃないんだから…(呆) 「だ、だってユーリ、三十分くらいで戻るって言ったのに、もう二時間も空中散歩から戻らないんスよ❗ ユーリ、自分で言った時間は結構ちゃんと守るのに…」 ああ、完全に耳が垂れ下がっちゃったよ(汗) 「……うーん、もしかしたら、どっか木の上か屋根の上で寝てるんじゃないの? あの人寝たらかなり時間にルーズになるジャン?」 「ああ……て、それだったら尚更大変っス❗こんな真冬に外で寝たら風邪ひくっスよ❗」 ああ、アッシュ君の心配症に完全に火が付いちゃった(汗) 「俺、ちょっと探してくるっス❗」 そう言って、防寒着も持たず玄関に向って走るアッシュ君。 ……それこそ風邪ひくんじゃない? 「ハァ……ユーリが風邪ねぇ…」 ボクが知る限り、ユーリって風邪どころか病気一つしたことないんだけど…… 「まぁ、ボクはヌクヌクお留守番してよ🎵」 アッシュ君の鼻ならユーリくらいすぐに見つけられるもんね🎵
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