行方不明

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大事件だ。 電話が鳴り響いた。 出るとおかんからで 【ジイちゃんが帰ってこん すぐにジイちゃんちにきて】 チャリに乗ったまま帰ってこないジィちゃん。 ドクンドクン 鼓動が早くなるアタシ。 町内をあげての捜索。 アタシはジィちゃんち所有の アパートに住んでおり ジィちゃんちゎ目と鼻の先なのに ドクンドクン 体が動かない また電話がなった。 おかんからで 【みつかったょ】 よかった! ドクンドクン まだ鼓動が早いままのアタシ。 発見場所はこれまたすぐ近くの海岸通りで ジィちゃんは迷子になり帰れなくなったらしい。 庭みたいな場所なのに。 それからジィちゃんゎしばらくチャリの鍵を取り上げられていた(笑) その頃からジイちゃんゎ少しずつ少しずつ記憶が曖昧になっていった。 すっかり成人したアタシに 学校ゎ休みか? 免許を取り車で何回もジィちゃんちに行っているのに どうやってきたんゃ? (笑) ある日、衝撃?ショックなことを言われた。 もちろんジィちゃんゎ悪気なんて微塵もない。 アタシの顔をみて 【だれゃ?】 ……………………(T-T) アタシは涙が出そうになるのを 我慢して チラシの裏に 【みさをゃ】って書いて 一生懸命笑った。 ジィちゃんゎ少し苦笑いして 片手をチョィとあげて 笑った。 耳も遠くなりうまく話せなくなっていくジィちゃん。 歴史が好きなジィちゃん。 天皇陛下が好きなジィちゃん。
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