2 病

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『最後に見た君の顔は怒った顔だった』 高校の卒業式 卒業証書を受け取る時俺は倒れ 気がついたときは病院のベットの上だった どうやら2時間程気を失ってたらしく 1週間ほどの検査入院することになった 先に言っておくが 俺は馬鹿だ! 故に医者から長ったらしい病名なんか覚えられず ましてやその病気の説明なんて聞いてるだけで眠気が・・・ 俺がなんとか理解できたのは 「しばらくは薬を飲んでおとなしくしていろ」 って親父に言われたことぐらいだ! 最初の2~3週間ぐらいはいろんな奴が見舞いに来て結構楽しかっったけど 1ヶ月たった今では・・・ 退屈・・・ 本当だったら今頃ダチと卒業旅行の予定だったのに・・・ 実際は病院のベットで寝てるだけ・・・ 退屈・・・ 4月 俺たちは出会った 4月からこの病院で働く事になった新米の看護士さん 運命かなにかか俺の病室の担当になった!! 不謹慎かもしれないがその時だけは この病気になってよかったと思った そのころから薬が少し強くなり飯が赤ちゃんが食べる離乳食みたいなのになった 1週間しないうちに俺らは付き合い始めた 彼女と病室で小1時間ぐらいしゃべっていると婦長さんがきてよく叱られてたし 病院の庭で花見をしながら 来年は病院直してちゃんとした花見をする約束をした が… その約束を守るのは難しいそうだ ある日いつも彼女が来る時間に来たのは 両親と担当医の先生だった 両親は目を真っ赤にさせて お袋は今にも泣き崩れそうに親父に寄りかかっていた 医者の話によるとどうやら あと半年ぐらいで俺にはお迎えが来るそうだ・・・ 翌日 桜がほとんど散った病院の庭で彼女と話した 「来年の桜が咲く頃には俺はここにいないのかな・・・」 そう言うと 彼女が今まで俺に見せたことないような悲しい顔をしながら 俺を睨みつけそのまま言ってしまった・・・ その後 俺は彼女の顔を見ることはなかった
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