所詮は戯言。脳の血迷い草さ。

ハーメルンの笛吹き男

ハーメルンの子ども達は、何故、消えたのか。

笛吹きの男の魔術によってか。
確かに魔女も存在したこの世、否定し得ない。
だがしかし、少々非現実でははないか。
決定的な確証は無い。

笛吹きの男の催眠によってか。
確かに魔術よりは苦い現実味がある。
しかし130人130色の子ども達全員が、果たして素直にかかるのか。

もし、

そう、

例えばの話。

子どもには代々天地創造より普遍的な知恵があるとするならば。
言い換えるなら、例えば、疑念。

例えば、大人、に対しての。

生き行き過ぎた、知り過ぎた忘れ過ぎた、拾い過ぎて抱え切れずに落とし過ぎた大人達に対する恐怖と同情と軽蔑。

仕舞い込んだそれを笛吹き男が達者な弁舌によって引き出したとするならば。

遠い、永い間忘れていた久遠よりの愚鈍への嫌悪感が甦ってきたとするならば。

覚醒し、見切りが、付いたとするならば。

嗚呼、

ハーメルンの子ども達は、何故。