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《みんな来てくれるかなぁ…》
鬼助は仲間たちを集めた高台の上に一人たたずんでいた。
《やっぱりボクみたいな新人が召集をかけるなんて度がすぎるのかなぁ?》
指定した時間はとっくに過ぎている…が、誰一人集まる気配はない。
《仕方ない、諦めよう。また来年もあるんだし、焦る必要はないか》
鬼助がその場を離れようとしたその時、一人の鬼が近づいてきた。
《よぉ、助ちゃん‼やっぱり一人だったかぁ‼ここの鬼たちはまとまりがねぇからなぁ》
《あっ、丸ちゃん》
丸ちゃんと呼ばれるその鬼、鬼丸という。鬼助のご近所さんだ。よく煮物や調味料を分けてくれる、気の優しいヤツだ。
《ここの鬼たちはホントに勝手なヤツばっかだからなぁ。早いトコ鬼ヶ島みたく団結してくんねぇと…やっぱり頼れるボスが必要だよなぁ。そう思わないか?助ちゃんよ》
《…うん。でもボクは誰にも縛られない、自由なこの土地は嫌いじゃないな。》
《そうかぁ?まぁ、考え方は人…じゃねぇ、鬼それぞれだけどな。んで、こんなトコ呼び出して何の用だったんだい?》
その時、鬼助の目がキラリと光った!獲物を捕える、狩人の目だ!
《丸ちゃん…ウンコ踏んでるよ…》
その時、鬼丸の目がキラリと光った!獲物を捕える、狩人の目だ!
《野郎、オレをはめやがったな》
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