270人が本棚に入れています
本棚に追加
お父様の了解を得て、私たちは町へ出た。
ツバキは私の後ろをピッタリついて歩く。
「ツバキ」
私は彼の名前を呼び、とある方へ指を指した。
そこには綺麗なガラス細工が並んでいた。
「欲しいのですか?」
私は頷いた。
「では選んでください」
私はツバキに言われ選んでいたが、あることを思いついた。
私は後ろのツバキへ振り向く。
「どうなさったのですか?」
笑顔で聞くツバキに私は言った。
「ツバキも選ぶの」
「・・・私も、ですか?」
ツバキは戸惑ったが、私のとなりに並んでひとつの髪どめを手にとった。
「これがよろしいかと」
私はツバキから髪どめを受け取った。
綺麗な赤い花のついたものだった。
「これ二つ」
私が言うとツバキは不思議そうに二つ持ってお金を払いにいった。
最初のコメントを投稿しよう!