赤の従者

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触れてしまった。 あの方に触れてしまった。 汚れやしないかと不安だった。 あの時の細くやわらかい髪の感触がいまだに残っている。 『ありがとう』と言ったときのあの方は微笑んでいた。 誰もわからないかもしれないけど確かに嬉しそうに笑っていたんだ。 神様。 僕が犯した罪は必ず償いますから どうか もう少し。もう少しだけ あの方の傍にいさせてください。 「リリ様・・・」
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