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「お待たせしました」
五郎の声に、俯いていた高杉は顔をあげた。
五郎の後ろには小さな少女が居る。
あれ?
俺の依頼を担当してくれるっていう忍はどこだ?
キョロキョロと見回し始めた高杉に、五郎は言った。
「今回、貴方の御依頼を担当する忍でございます」
五郎は少女の肩に手を置いている。
つまり、担当はこの少女というわけで。
「…ははっ!こいつは面白い!」
高杉は笑い出した。
この小さな少女一人に務まるとでも?
そう言いたげな高杉に、五郎は真剣な眼差しを向けた。
「私は適任だと思っております」
高杉は五郎の真剣な目を見て笑うのをやめた。
そして、真剣な表情で頷いた。
少女に向き合う。
「高杉晋作です」
「高田心と申します」
心は可愛らしくお辞儀をした。
五郎は心に首を向けた。
「この御依頼はお前一人でだ。御依頼の詳細は高杉様に聞きなさい」
では私はこれで、と五郎は立ち去った。
高杉と心は、高杉の故郷、長州へと向かった。
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