第一章 出会い

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「お待たせしました」 五郎の声に、俯いていた高杉は顔をあげた。 五郎の後ろには小さな少女が居る。 あれ? 俺の依頼を担当してくれるっていう忍はどこだ? キョロキョロと見回し始めた高杉に、五郎は言った。 「今回、貴方の御依頼を担当する忍でございます」 五郎は少女の肩に手を置いている。 つまり、担当はこの少女というわけで。 「…ははっ!こいつは面白い!」 高杉は笑い出した。 この小さな少女一人に務まるとでも? そう言いたげな高杉に、五郎は真剣な眼差しを向けた。 「私は適任だと思っております」 高杉は五郎の真剣な目を見て笑うのをやめた。 そして、真剣な表情で頷いた。 少女に向き合う。 「高杉晋作です」 「高田心と申します」 心は可愛らしくお辞儀をした。 五郎は心に首を向けた。 「この御依頼はお前一人でだ。御依頼の詳細は高杉様に聞きなさい」 では私はこれで、と五郎は立ち去った。 高杉と心は、高杉の故郷、長州へと向かった。
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