第二章 依頼

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そして、人差し指を立てる。 「ではこうしましょう」 心は後ろ向きで歩き出した。 「高杉様と私は今から親戚です。そう装った方が自然でしょう」 高杉も心と目を合わせながら歩き始める。 だから、二人とも反対側から来る武士三人に気付かなかった。 「そして…」 と、心が言いかけたそのとき。 ドンッ! 心は武士に背中からぶつかってしまった。 「申し訳ありません」 振り向いた心は頭を下げ、通り過ぎようとした。 しかし、武士三人は心を引き留めた。 「武士にぶつかって謝っただけで許されると思ってんのか!?」 どうやらこの武士三人、酔っ払っているようだ。
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