陰

― 隣 ―

　
君が嫌いだと 僕が嫌いだと 言う声と
僕が好きだと 君が好きだと 言う声が
交差して 街角に消えた紙一重の偽りの声

ココハ何モ無イ地球(セカイ)
全テ無クナル 消エテ逝ク
僕も君も同じ人間なのに
君は僕を見てくれない

堕ちて 消えて 奈落の底
僕は君を裏切らない
舞い上がるのは紅に染まる 白い羽
散って 舞って 砕けてく
僕は闇に堕ちるだけ
君の涙は僕に届かない 美しい声
儚く消える 僕と真紅の羽

君が笑って 僕が笑っていた あの頃は
僕は泣いて 君が泣いていた あの地に
届いてと 叫んだ僕達に静粛を促すハンドベル

モウ何モ残ラナイ足跡(キオク)
余韻サエモ 呑マレテク
君が僕に手をのばしても
ごめん僕には掴めない

淡く 光り 消えて逝く
君が涙を流しても
もう誰だってとめられない 闇の奥
覚めて 見れば ただの夢
僕は君に笑ってほしい
僕は君の涙を見たくない 静かな声
いつか見た 君と君の宝物

静かに唄う レクイエム
それでも僕は君の隣に居たい
いつか訪れる 運命の時
君が僕を呼ぶのなら
紅の羽でも側に居るから
白い翼は無いけれど
紅の翼で君と居るよ

廻って 浮いて 空の下で
僕はいつでも君の隣に居るから
ずっと そっと 君を
見守り続けていくから この先も

生命が尽きるまで
ずっと ずっとー…