死へ…

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死へ…

  漆黒の羽が舞い落ちる 紅の水溜まりは 大きく波打つばかり 絡められた鎖は 解くことを知らず 只 皮膚へと食い込む 痛みを忘れかけ 虚ろな瞳を黒羽に向ける もう 声なんか出せない もう 戲事のように消えゆく 嗚呼 あの光は何処 俺を照らしてはくれぬのか 千切れそうな四肢は 傷みなど等に無いと言うのに 声など届かない 助けなど要らない だからせめて 俺を殺して  
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