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店内に入ると頬に深いシワを刻んではいるが優しそうな老女が出迎えてくれた。
案内された部屋には彼女と同じ位の年の男が座っていた。どうやらこいつが此処の楼主らしい。
「初めまして…今日からお世話になります。お美津と言います。」
お美津は深く頭を下げた。
「そう固くなるな。わからない事は何でも聞くんだよ?」
男は柔らかく微笑んだ。
お美津はほっとしていた。
噂ではおっかねぇ主人と鬼のような遣り手が居る地獄のような所だと聞いていたからだ。
だがこの二人にはそんな一面なんて見えねえ。
「はい。よろしくお願いいたします!」
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