笑顔

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今日も彼から話し始める いつもの眩しい笑顔で でも今日は少し違った 「最初… 井上ってなんかオレと似てたから声掛けたんだ」 何故かドキッとした 「アタシと似てる? どこか? …まるで正反対じゃない。 明るいし、友達だって沢山居る」 ははは… と乾いた声で、自分を蔑むように笑った 「…オレさぁ、小学生の時イジメられてたんたょね」 少し照れたように前髪をいじる でも『心』は泣いている と思った 「そんで、3回 転校した」 ──なぜ笑ってるの? 「学校変わる度に、どうすれば上手く人と付き合えるか学んだ」 ──なぜ笑って言えるの? 「この中学も春休み中に転校して来たんだ。でも、これが最後の転校」 ──ムリしてる 「だって、こんなにいっぱい友達出来たんだから」 空を仰ぐ彼の顔は 『心』とは裏腹の笑顔だった
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