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アタシは、あんな『辛そう』に笑う彼の顔を見るのが
たまらなく辛い
でも どうしようもなくて
アタシが泣きそうで…
気付いたときには彼の胸に飛び込んでいた
冷静に考え直すと恥ずかしくて、彼の顔が見れない
でも これがアタシの最大限の感情表現
涙が溢れて止まらない
人の事なのに悲しくて、苦しくて、胸が締め付けられる
小さな声で言ってやった
「笑わないでよ。無理しなくていいんだよ…」
彼はアタシの頭をそっと撫でて言った
「………ありがとう」
放課後
誰もいない東校舎の階段にて
人生で初めて『恋』という感情に気付いた
中学一年生の秋
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