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笑い続けるアタシに彼はまるで、拗ねた子供みたいな顔をしていた
それがまた笑えた
今を楽しまなきゃ
教室に帰ればアタシ達は他人に戻るんだ
今はこんなに近いのにね
……はぁ
結局自分もため息をついて、彼と同じ段に座った
いつも通り始まる『秘密集会』
やはり今日も話し始めるのは彼
「最近 女子の間で、井上の悪口言ってんの聞くんだけど」
うぅっ……
何で知ってんの??
何で気付いてるの??
何も言えないアタシは、目を逸らす
彼は、一つ息を吐いてから
深刻な顔で語る
「人間ってどうして差別したり、誰かを仲間外れにしたりするんだろう…
気が合わないとか、しょうがない事じゃん」
アタシは手元にあった目線を彼の横顔に向けた
「同じ所に立たなきゃ分からない事だってあるのに
初めから違う場所に居るから分からないんだ。
階段のような違う高さなんて無い。
みんな同じ目線で、同じ段に立っているんだ」
そこまで話すと
今までの真剣な顔から打って変わって、いつもの笑顔になった
「なんつって♪コレ、長年虐められたオレの持論」
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