落ちこぼれの しにがみ

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ラグ先生は、スィッチを睨みながら言った。 「たかが中間テストだからと言って、勉強をしないという行為は、しにがみとして恥ずかしい事だ!」 スィッチは、自分の事を言われてると、すぐにわかった。 「スィッチ…しにがみ社会の基本的な、お仕事を言いなさい。」 「は、はい!」 ラグ先生の、急な質問にスィッチは、つい声が裏返ってしまった。またクラス中から、クスクスという笑いが広がった。 「えっと…この世にいる、生き物すべての命日を調べて、命日の日に、あの世まで送る事です。」 と自信なさそうにスィッチが答えた。 「うむ…まぁ…大体は当たっているがな…生き物すべてと 言うが、この世の生き物には、昆虫や植物や自然物もある。しにがみにとって、一番大事なのは…」 「動物!つまり人間です!先生。」 ラグ先生が言いかけたその時、一番後ろの席から、堂々とした大きな声が聞こえてきた。 「その通りだ。エラロフ!お前は、この前の中間テストでは、人間学の成績が学年トップだったぞ!」 とラグ先生が、一番後ろの席に座ってる、しにがみの生徒エラロフに言うと、周りのしにがみの生徒たちから「おぉ~!」という歓声が教室に響いた。 一気にクラス中から、注目されたエラロフはニヤリと笑みをこぼした。
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