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「でわ何故、人間を命日にあの世へ送るのが大事なのか…スィッチ、わかるか?」
とラグ先生は、またスィッチに聞いた。「えっと…え~っと…」
とまた急な質問に戸惑っていると、隣に座ってる優等生のエルダが「はい!」と手を高々と挙げた。
「でわエルダ、答えなさい。」
ラグ先生がエルダに言うと、エルダはニコッと笑い、お行儀よく席をスクッと立った。
「それは、人間は昆虫や植物や自然物と違い、死んでしまったら二度と生まれ変わる事ができないからです。だから、生まれ変わって、また新しい生命が誕生する昆虫や植物…長生きをする自然物より、寿命が短くて生まれ変わらず、新しい生命も誕生しない人間を、命日にあの世へ連れて行く事は、とても大事な事なんです。」
エルダがスラスラっと、少し早口で言い終えると、クラス中が一瞬シーンと静まり返った。
そして、その沈黙はすぐ拍手に変わった。そのクラス中の、しにがみの生徒からの拍手を浴びながら、エルダは恥ずかしそうに、そそくさ自分の席についた。
「僕だって、それくらい答えられたよ。」
席についたエルダに、隣の席に座ってるスィッチが言った。
「うん、わかってる。基本だもんね。」エルダがニコッと笑い、スィッチにイヤミっぽく言った。
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