落ちこぼれの しにがみ

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マーヤがいる病院から見える街の、地面よりもっともっと下に、しにがみの世界がある。 その世界は、なんとも不思議で、昼間だというのに空は真っ暗で、地面も黒い石でできていた。 その真っ暗なしにがみの世界に、大きな黒い石でできた、建物が建っていた。その建物の前には、大きな黒い門があって、その門の両脇に黒いレンガの壁がびっしりと、その黒い建物を囲っていた。 大きな黒い門の左脇の黒いレンガには【しにがみ学校】と書かれた、縦看板が飾ってあった。 「キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン」 突然、大きなチャイムがその黒い学校中に、鳴り響いた。 「スィッチ…スィッチ………おい!スィッチ!!!」 とてつもなく大きな声が、教室中に響いた。 「スィッチってば、起きなさいよ。」 スィッチの隣から小声で、しにがみ学校いちの優等生、エルダがスィッチの肩を揺らして起こした。
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