落ちこぼれの しにがみ

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スィッチは、頭を深々と下げたまま、まだ寝てる頭を覚ます様に、怒られた理由を考えた。 (確か授業が始まって、途中から記憶がないな…寝ちゃったんだ。じゃあ、さっき僕の名前を何回も呼んだのは、ラグ先生だったんだ…) だんだん記憶が蘇ってきた。スィッチは下げた頭をゆっくり上げて、チラッとラグ先生を見た。 ラグ先生は、意外と素直に謝ったスィッチを見て「はぁ…」と大きな、ため息をついた。 「スィッチ…お前この前の中間テスト、ちゃんと勉強したのか?」 ラグ先生は背中の黒い羽をバサッと、少し広げてスィッチに向かって言った。 スィッチは、ちょっと照れた顔して、モジモジしながら言った。 「いや…中間テストは…」 顔を真っ赤にして、背中の黒い羽を、バサッと広げた。 そんなスィッチを見て、しにがみのクラスメイト達は、クスクスと笑っていた。 「スィッチ、その恥ずかしい時に羽を広げる癖、いつになったらなおるの?」 隣に座ってた、優等生のエルダが、スィッチに注意すると、クラス中がまた、ドッと笑い声で湧いた。 「羽のコントロールがまだできないなんて、スィッチは子供だなぁ!」 クラスメイトの1人が、大声でスィッチをからかうように言った。 スィッチは、更に顔を真っ赤にして、背中の黒い羽をバサバサッと2回、羽ばたかせた。
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