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駅から数分…
真人の家は駅からそう遠くはなかった。
俺は家についたが真人が居ない。
「あれ?お兄ちゃんいないな」
「マジで、どっか行ってるのかな?」
「ちょっと電話してみるね、どうせノッチとマー君と遊んでるんだよ」
恵美はそういうとジャラジャラとストラップのついた携帯を取り出して電話しはじめた。最近の子は携帯重くないのかな?とくだらない事を俺は考えていた。
「あ、もしもし、お兄ちゃん?え?…うん!…冬彦きてるよ!…うん!」
俺は恵美の電話の相手が真人だと言うことでちょっと胸が高鳴った。
何年ぶりだろうか…
小学校の頃からなので3年もの月日が流れていた。
電話を終えた恵美が嬉しそうに話しかけた。
「お兄ちゃんくるってさ!」
「そうか、久しぶりだからな」
「お兄ちゃん来るまで家でまってなよ」
「いいの?」
「いいよ!冬彦なら大歓迎だよ、汚い部屋だけどね」
恵美はニッコリしながら言った。
「なら待たせてもらおうかな」
俺はこんな穏やかな感じがとても心地よかった。
…それから1時間ほど真人の家で待っただろうか。
俺は真人の家を見てみると見覚えのあるゲームソフトを発見した。
これ…懐かしいな。
それは俺のソフトだった。
コイツに貸してたのか…
…ん?貸したか?
記憶を
追い辿っていると、玄関のドアの開く音がした。
「おー!!久しぶりじゃん!元気だったか?」
話し掛けてきたのは真人だった。痩せ型で色黒で髪の毛はにわかに茶髪だった。
「真人も元気そうだな!」
「俺はホラ!体育だけは得意科目だったからな!」
「なんだそれ?健康と関係ないじゃん」
こんな風に話していると、この前までの学校の事がウソのようで、別世界に来たような感じがした。
「それで?お前なんかいろいろ悩んでるみたいじゃん?」
俺は真人と再開をすると今までの“うっぷん”を晴らした。
「そうか、それはひでぇな…まぁこっちに来たからには、そんなこと忘れろよ」
「あぁ、ありがとうな…」
「なぁに、気にするな」
ちょうど話しの切りのいいところで真人のポケットにある携帯が鳴きだした。
「あ、ノッチだ…もしもし」
そして数分後…
電話が終わった真人が軽快に話しはじめた。
「実はさ、逢わせたい奴がいるんだよね」
「お!こっちでの友達か?」
「まぁいいからついてこいよ」
「わかった」
コイツは昔からそういう奴だった。大したことない事でもすぐに隠して、驚かせようとする。
自転車で2人乗りをして、とあるさびれた公園に来た。
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