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こぽぽぽ…
「今日は夕方からだったからな、もう終わりの時間だ」
「はい…」
電気ポットのお湯を注ぎながら巡査長は言った。
あの中身はなんだろうか…コーヒーだろうか…
「…おまえも飲むか?」
「は…はい…」
「よし…じゃあ待ってろ」
そういうと巡査長は俺を一人残し、奥へ消えていった。
巡査長はミルクと砂糖、持ってきてくれるだろうか…。
ふと、俺は目の前にある巡査長がさっきまで書いていたノートに目が言った。
どんな事を書いているのだろう…?これが調書と言われるヤツなのだろうか。
少し覗いてみた。
……が、字が大人文字でよくわからない。
筆記体の漢字バージョンのように見えて漢字がひらがなのようにもカタカナのようにも見える…
ただ、これだけは言える…どうやら調書のようだ。
さらに、よく見るとこの部屋…壁や机が落書きだらけだ。
過去、数々の不良がここに来た証を残している。
俺も今、証を残すチャンスだな。残さないけど…
「真人参上!」
これは…あいつか?同じ部屋だとは…
「真奈美参上!」
……。あいつらひねりがないな。
「ノッチ参上!」
あれ?ノッチも…
「マー君参上!」
これ…ってことは…
ガチャ!
巡査長が飲み物を持ってきた。
「ほれ!」
「ありがとうございます」
ココアだった。
何もかもが意外だった。
ガシャン…
牢の扉は堅く閉ざされた。
「おかえり」
迎えてくれたのはアツシだった。
「ただいま…帰りたくもなかったけどね」
「今何時なんだろうな…?」
「え?」
そういえば時間がわからない…ここにいると時の流れが早く感じる…もう真夜中って感じだ。
「すいませーん!今何時ですか?」
突然アツシが大声で看守に聞いた。
「20時だよ…」
どこからともなく聞こえてきた。牢の中からは声の主を姿を確認できない。
「20時だってよ?時間の流れ遅いな」
ギブスをいじりながらアツシが言った。
「まったくだ…飯食ったのか?アツシ」
腹が減ったな…ここに来て朝飯、昼飯を食べてない、あ…コーラを飲んだか…
「あ…そうだ」
アツシが何か思い出したように少し大きい声をだした。お前そんなキャラだったか?
「お前が取り調べしてる時に飯食ったんだよ、お前にもとってあるよ」
「ほんと!それどこにあんのよ?」
「取り調べ終わったら持ってくるっていってた」
「終わったけど…そのうちくんのかな?」
「多分そうじゃん?」
俺は待つ事にした。
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