9人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は真奈美の誘いがなければどこに行く気だったんだろうか…
まだ家出して真人がいないと知り合い誰一人いない俺はどこに向かえただろうか…
真人の家に帰っていたかもしれない。
今は嫌だ、帰りたくない。
そう考えるとなんだか、真奈美に救われた気がした。
…ん?
そういえば…俺、女の子の家なんて入ったことないぞ?
やばい…少しワクワクするかも。しかも気になる子の…
「ここがワタシの家だよ」
真奈美が指を差した所は15階建ての古いマンションのようで場所は13階の端だった。
「ここか…」
「あ!ちょっとまってて」
「え?うん…」
そういうと真奈美は先に入っていった。
俺は少しの待ってる間、まわりを見渡してみた。
さすがに13階であってドアとは逆の一方は、果てしない都会の景色が広がっていた。
それは運良くまわりにこのマンションより大きい建物が立っていないから実現出来ているのだと思った。
この景色好きかも…
ドサッ…ガラガラ…ボフッ…サッサッ
何やらドアの右の窓から音が聞こえる。
どうやら、掃除してくれてるみたいだ。
なんか悪いな…
ガチャ…
「おまたせ」
ドアを開けた真奈美を見て少し可愛く思った。
女の子なんだな…
「お邪魔します」
「邪魔するなら帰っていいよ?」
「いやいや!挨拶でしょコレ…」
「大丈夫!誰も居ないから」
「誰もいない…のか」
俺を玄関からすぐ右の部屋につれていくとクッションを渡してきて座らせてくれた。
「ちょっとまっててね、今なんか飲み物取ってくる」
「お…おう」
真奈美が飲み物を取りに行っている間、まわりを見渡した。
俺の隣に座った俺と同じ大きさのプーさんのぬいぐるみが座っていた。
あとは浜崎あゆみのCD…
香りのするお香…
ん?壁にはコルクボードに何枚も写真を切り抜いて貼って作ったであろう思い出写真があった。
中学校の頃かな?
この前カラオケに来た女の子もいた。
ガチャ…
「紙パックのミルクティでいい?これしかなくって…」
「全然いいよ!ありがとうね」
真奈美が笑顔でうなずくと紙パックを俺の目の前に置き、座った。そして言った。
「で?どうしたのかな?」
「……何がかな?」
「何かあったんじゃないの?元気なかったじゃん?」
「そんなことないよ…」
「…冬彦は嘘が下手だね」
……。
少しの沈黙のあと…
俺は真奈美に真人との事を話した。
最初のコメントを投稿しよう!