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今から一年とちょと前…
冬彦は高校生。
就職率の高い高校で、それなりの日々のつらさがある高校だった。
毎日毎日レポートの嵐…
人間関係ではいじめられている人をたすけたのに、その助けた人に裏切られ、矛先が冬彦に変わっていた。机の上に「死」の文字…
苦労して書いたレポート盗難…
まわりからの消しゴムのカスがとんでくるなど…
ドン底に等しかった。
ある日、リーダー格が暴力を冬彦にふった。
その事は学校問題になり、その子は停学処分に…
何もしていない冬彦には何もなかった。
その停学処分が気に食わない輩がたくさんいて、冬彦に対してエスカレートした。
階段から落とされたり…
教科書がビリビリに…
机には「死」の文字がたくさん…彫られていた。
冬彦はいつからか…学校へ行かなくなった。
そんな時…一本の電話が掛かってきた。
「よぉ!元気してるー?」
それは小学校からの長い付き合いの友達、「真人」(まこと)だった。
俺は真人に最近の心情を話した。
「そうか…そんな事があったのか…」
「…うん」
「冬彦さ、今度遊びに来いよ」
「え?無理だよ」
「なんで?」
それは真人が隣の県に住んでいること、お金が冬彦には無いこと。
「そっかー、冬彦も引っ越さなければな…」
「仕方ないよ…親の都合だし…」
小学校卒業と共に引っ越しをしてしまった冬彦は真人と確かに疎遠になっていた。
「まぁたまには遊びに来いよ」
「うん、ありがとう」
友達に心配してもらい、冬彦は久々にあたたかさを感じたのかもしれない。
電話を切ったあとも考えていた…
「お金…用意するには…」
冬彦の目の前には学校に通うために使う「定期券」があった。
これくずせば…
次の日、学校に行くと見せ掛けて学ランを着たまま俺は定期券をくずした。
買ったばかりの定期券は結構いい金になった。
それをもとに冬彦はとなりの県へ、家出をした。
電車に乗り、2時間弱…
久しぶりの場所は少し変わっていた。
コンビニができていたり、マクドナルドができていたり、俺はタイムスリップした気分になった。
だが小さなこの駅だけは変わらない。
「あれ?冬彦??」
俺は後ろから誰かに話し掛けられた。
「おー!久しぶり!」
それは真人の妹の「恵美」(えみ)だった。
「久しぶり!元気だった?なんか痩せたね」
「小学からみると人はかわるもんさ」
冬彦は少し笑いながら言った。
「お兄ちゃんは家にいると思うから家にいこうか」
そういうと昔の話しをしながら真人の家に向かった。
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