第三章・―捜査開始―

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 しかし残念ながらそれ以上は誰からも意見はあがらず、それで一旦話は終了したと判断したのだろう、明が低い声で続けた。 「これ以上ここで話していても埒が明かないな。取り敢えず聞き込みに行こう」 「そうですね。一旦情報を集めに行きましょう」  それには全員が賛同すると、満足したのか一応の上司である高村を差し置いて、明が代表してペアと指示を伝える。 「それじゃあ新野、お前は俺とこい。令、井原を頼む。高村警視、申し訳ありませんがここに残って、ストーカーの取り調べをお願いします」 「了解」 「分かりました」 「ああ。分かったよ。ここは私に任せて、心置きなく行ってきたまえ」  それぞれが指示に従い返事をしていくのに、言い終えると同時に煙草を灰皿に押しつけて、新野に視線で促して颯爽と署を後にする。
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