第三章・―捜査開始―

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 残された令も井原と顔を見合わせると、背後に立つ相変わらず挙動不審なストーカーを前面に押し出してからにっこりと笑い、二人同時に言った。 「それじゃ、高村警視。お願いします」 「お願いします、高村さん」  半分涙目になりながら高村に視線を向けるストーカーを見返すと、何故か必要以上にびくびくされて、顔まで青ざめさせる。  それを聞いた高村が長いため息を吐くが、肝心の明がもう出てしまっている以上、抗議しても無駄だと悟ったのだろう。  仕方なさそうに肩をすくめると、がたがた震えているストーカーを見ながら返す。 「やれやれ……。分かったから。さっさと君達も聞き込みに出かけたまえ」  何だか諦めた感のある非常に力ない答えに、嬉しそうに頷いた二人も実に爽やかに署を後にしたのだった――。
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