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「加藤って、東京のほうの高校に行くって知ってた?」
親友の、斉木 舞子【サイキ マイコ】が登校中の私に駆け寄り
私の肩を掴んだ
そんなに息を切らせながら言ってこなくってもいいのに…
「知ってるよ…夏休みに猛勉強してたもの」
「何だ…知ってたのか」
私は、高部 郁子【タカベ イクコ】
中学三年生。
今は一月
受験生の私達には辛い年明けだった。
もうじき、高校受験が始まる。中学生でいられるのも、後わずかだ…
舞子が言っていた
『加藤』とは私の好きな人
加藤 敦【カトウ アツシ】という。
ずっと ずっと好きなのに
私の想いは通じない。
彼の心はいつも
遠い空の下で暮らす、年上の人の所にある。
それでも私は
貴方が好きで仕方ありません。
側で見ているだけでも幸せを感じられたのに、それも終わりを告げようとしている。
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