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加藤は
『二学期のテストで絶対に学年上位までいってやる!』
と豪語して職員室を出て来た。
なんか私の責任が重くなってきた気がする…
どさくさに紛れて
そのまま一緒に帰る事になった
これは、嬉しい。
「…加藤はどこの高校を受けるの?進学校なの?」
これぐらいは
聞いてもいいよね、一緒に勉強する事になるんだからさ…
「青葉学園だよ」
ドクン
知らない高校の名前だ。
この辺りじゃないの…?
「…青…葉?どこに…あるの?その高校」
聞きたくない…でも、聞かずにいられなかった。
「東京だよ」
身体中の血が一気に下がったのが分かった。
夏なのに、物凄く寒い。
加藤はこの地から離れるの?
「俺の今の成績じゃ、受験もさせてくれないんだ。遠いから、受けるだけでもってワケにもいかないし…だから、頼む!教えてくれな」
私の気持ちなんて
気付くわけもなく加藤は語る。
短い時間の中で葛藤する。
協力なんてしたくないのに夏休み中、一緒にいられるという誘惑に負け会う約束をする。
「…うん、わかった。明日から頑張ろうね」
加藤は喜んで帰って行く。
明日から
勉強漬けの毎日なのに…嬉しそうだ。
行く高校は違うけど、同じ場所にいれば会える事も出来た…それさえも出来なくなる。
嫌だ 嫌だ!
私、加藤の事好きなのに…
止める事も出来ないの?
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