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家に帰って
部屋でたくさん泣いた。
まだ
はっきりと決まったわけでもないのに悲しくて仕方なかった。
私の勉強の教え方一つで、良くも悪くも出来るんだ…
悪い気持ちがムクムクと沸き上がってくる。
だけど、すぐに打ち消す。
悪い印象なんて与えたくない。一生懸命やって感謝されるほうが良いに決まっている。
とりあえず
明日から一緒に勉強をするんだから、その事だけを考えよう…もしかしたら、私達の距離が縮まるかもしれない。
両想いになるかもしれない。
そんな淡い期待を胸に、夏休みはスタートした。
翌朝
やる気いっぱいの加藤から電話がかかってきたのは、朝8時だった。
「まだ寝てたのかぁ!?図書館でやろうぜ。9時には来いよ」
何が加藤をここまでやる気にさせているのだろう…気合い入り過ぎではないか?
そこまで魅力のある高校なのだろうか…
気になってきた。
私服で会うのは初めてである。
とりあえず
可愛く見えるように、白のワンピースを着て、いつも下げていた髪もアップにし、少しのオシャレをした。
し過ぎて変に見られるのも
嫌だ。
デートでもないのに
ドキドキしながら、約束の9時までに図書館に向かった。
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