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「分かってますよ。我々はゲームをする恋人たちを徹底的に調べてゲームに参加させるかどうか検証するんですから。その結果、貴方もミユキさんもお互いに愛はない」 確かに俺らの間に愛はない。かといって嫌いになったわけでもない。愛がなくなれば人を殺せる? 何を考えてるんだ。
しかし、自分の命とはかけがえのないものだと俺は知っている。
「どうせそんなこと言って俺が殺さなくても俺は死ぬんだろ?」
「はい」
マイク男のきっぱりとした返事に、分かっていながらも落胆してしまった。
「……じゃあ俺はミユキを殺す」
認められない事実でも、認めなければ終わってしまう。
「そう。その意気です。それこそが我々の求めている素晴らしさです」
終わるのは嫌だ。つねに始まりを見ていたい。これからも。
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