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朝の騒動から一時間後、アレンとティムキャンピーはリナリーの部屋へ向けて歩いていた。
「まさか、ティムキャンピーが人間になれるなんて…」
アレンはさっき受けた説明を、頭の中でぐるぐる巡らせていた。
【ティムキャンピーは10年に一度、満月の夜から3日間人間になれる】
そういった説明だ。
「まったく師匠は甲斐性なしの上に適当なんだから…」
ブツブツ言いながら歩いている。
「アレン~アレンまってよぉιι」
「あ!」
アレンは後ろを振り返る。
ずるっずるっ
ティムキャンピーが服を引きずらせて、ヨタヨタ歩いてきた。
「す、すみませんっ」
アレンは慌ててティムキャンピーを迎えに行く。
「アレンの服、おっきいね?」
手の出きらない袖をパタパタと振るティムキャンピー。
(あう…可愛い?)
「?アレンどうかした?」
「あ、いえ。袖折りましょうか」
アレンはティムキャンピーの着ている団服の袖を折った。
「ありがとう?これでアレンと手がつなげる?」
ティムキャンピーはアレンの手を握った。
「わゎっ///」
「いいじゃん、一人じゃこけちゃうし。本当はお姫様抱っこがいぃけど」
「え?あ、…いいですよ?」
アレンはヒョイっとティムキャンピーを抱えあげた。
「わ?やったぁ♪」
「それじゃ、行きますよ」
アレンは歩きだした。
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