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次の公演は不条理もので、もう台本は出来上がっていた。
裕介は家に帰ってから机に向かって台本を読んだ。
裕介のいる演劇部は、祐希が部長だ。
裕介もセリフの多い役につくことが多かった。
今回もそうだ。
裕介は、ブツブツと声に出しながら何度も練習した。
視界の中に何か動くものがある…
窓の外…
家の庭…
ピエロ!!
ジャグリングをしながら笑顔でこっちを見ている。
みんなに信じてもらいたい…
この様子を携帯におさめようと、携帯を構えた。
写ってない……
携帯を下ろした。
いない…
携帯を構える前はいたのに、携帯を向けた途端…
一瞬にして…消えてしまった……
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