第2章 ストーカー

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次の公演は不条理もので、もう台本は出来上がっていた。 裕介は家に帰ってから机に向かって台本を読んだ。 裕介のいる演劇部は、祐希が部長だ。 裕介もセリフの多い役につくことが多かった。 今回もそうだ。 裕介は、ブツブツと声に出しながら何度も練習した。 視界の中に何か動くものがある… 窓の外… 家の庭… ピエロ!! ジャグリングをしながら笑顔でこっちを見ている。 みんなに信じてもらいたい… この様子を携帯におさめようと、携帯を構えた。 写ってない…… 携帯を下ろした。 いない… 携帯を構える前はいたのに、携帯を向けた途端… 一瞬にして…消えてしまった……
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