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「えっと…サインください…」
裕介は、パンフレットとペンを差し出した。
ピエロは、ガタッっと立ち上がって、目をパチクリさせたまま自分を指さして、僕?と言いたげにした。
僕は、こくこく頷いた。
ピエロは、跳びあがって歓び、僕の手を取り上下にぶんぶん振り回し、握手をした。
ピエロは、しゃべらなかった。
ピエロはパンフレットとペンを受け取り、サインを書こうとしてピタッと止まった。
何か考えているようだ…
分かった!
何て書けばいいのか分からないんだ。
ピエロはペンのキャップを抜き、こう書いた…
「ピエロ」
…しかもカタカナ
ピエロは、はしゃぎながらパンフレットとペンを返して、また乱暴な握手をした。
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