第1章 サーカス

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「えっと…サインください…」 裕介は、パンフレットとペンを差し出した。 ピエロは、ガタッっと立ち上がって、目をパチクリさせたまま自分を指さして、僕?と言いたげにした。 僕は、こくこく頷いた。 ピエロは、跳びあがって歓び、僕の手を取り上下にぶんぶん振り回し、握手をした。 ピエロは、しゃべらなかった。 ピエロはパンフレットとペンを受け取り、サインを書こうとしてピタッと止まった。 何か考えているようだ… 分かった! 何て書けばいいのか分からないんだ。 ピエロはペンのキャップを抜き、こう書いた… 「ピエロ」 …しかもカタカナ ピエロは、はしゃぎながらパンフレットとペンを返して、また乱暴な握手をした。
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