プロローグ

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ここは万里総合病院の救急救命センター。 夜勤ももうすぐ終わりを告げる時…けたたましく一本のホットコールがなった。 「…なんか重体の患者な気がする…」 ここで働いている新人ナース紗耶香はそう呟きつつ、ポケットに入っているメモ帳とペンをとり素早く電話にでる。 「はい。こちら万里総合病院救急救命センターです」 『三次の患者さんの受け入れお願いします!』 (…やっぱり) 紗耶香はメモを執りながらそう思うと後ろを振り返る。 後ろには今日一緒に夜勤に入っている医師と先輩看護師がいた。 「受け入れOK」 医師がそう告げるのを確認したあと…紗耶香は再び電話の相手に返事をした。 「どうぞ!」 『名前は不明。年齢は11~13歳の男の子です。道に飛び出したときに車と接触したもよう。意識レべル300。外傷は頭部と胸部…足も開放骨折をしています。出血もひどく徐々にバイタルも低下してます…あと……』 (10代!?そんな…) 紗耶香はあまりの患者の若さに驚きながらも、メモをとり続け、電話を切った。 そしてすぐさまここにくる少年のために準備をするべく処置室に走り出す。 (…死なないで…)
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