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目覚めるといつも曖昧で、なにか大切なものを置いてきたような気持ちになる。
私の体は白いベッドの上にいるみたいだけれど、なぜ、私はここにいるんだろう。
一輪だけの青い花が眩しい。
眩しい?
眩しい……光……
ああ、そうか。
私は事故にあったんだっけ。
病室の外がなんだか騒がしい。
なんだろう。
病室の入り口を見ると、そこから――
「メーグーミー! よく目を覚ましてクレマシタネ! 私、ウレシよー!」
父親のマイケルが飛び込んで来た。
とりあえず面倒なので私は、
「病院では静かにしなきゃダメ」
と、優しくボディブローをしてあげた。
(2010/01/26/◆あの世の国のアリス◆/完)
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