Reset!

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「はぁ……」   晴天の下、僕は歩きながら嘆息した。   今日も学校でからかわれると思うと、快晴なのに凄く憂鬱。 思わず溜め息の一つもつきたくなる。   そもそも何故、からかわれるのかというと。   顔である。   いや、不細工だからじゃない。   僕は(さっきから僕と言ってるので、勿論男な訳だが)、自分で言うの嫌なんだけど……女みたいなんだ。   女顔だし、声もちょっと高いし……。   いや、中性的で済むならいいよ。   これこそ、自分で言うのは、ほんっっとに嫌なんだけど……。   周りからは美少女と囃される様な顔だったりします。     ……嗚呼、朝っぱらからなんて恥ずかしい宣言してるんだろう。   「――あの」   僕が自己嫌悪に陥りうんうん唸っていると、ふと、声を掛けられた。   声の主である男性は、ガッチリはしていないが、背の高い普通の人。 だけどどこか、普通の人とは違う感じがした。   「はい?」   返事をして、立ち止まる。 見た感じ、道に迷っているのかな。   「この近くに警察署か交番はありますか?」   警察署か、交番?   なんでそんな所に用事が? ……でもま、込み入った用があるのだろう。 僕は、深く訊かない事にした。   「えっとですね、警察署はここからじゃ遠いですし、交番……は、この左の道をずーっと進んだとこ。大体1キロ先に有りますね」   「そうか、良かったよ。あまり人もいないようだし、丁度いいな」   男性はニタリと笑った。   「え?」   全く訳がわからない。 良かった? 人が居なくて丁度いい?   「じゃ、遠慮なく。あ、そうだ。でけぇ声は出すなよ?」   男性は忠告しつつ、尻ポケットから短い柄を取り出し、手首をスナップさせた。   ……バタフライナイフ、と言う物だ。   20センチ程の折り畳んであった刃が、姿を表した。 その刃は朝日が反射し、妖しく輝いている。   そうか、殺す気なのか。   一一不意に、今朝のニュースが思い出された。
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