Party!

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「よし、準備万端!」   エプロン姿の僕はテーブルに並べた皿を見て、頷いた。   どの料理を見ても、我ながら惚れ惚れする出来だ。   「媛ちゃんは凄いなぁ」   椅子に座っていた嶺ちゃんが、オードブルのから揚げをつまみ食いしながら呟く。   「そう言うならせめて、僕が作った料理をつまんでよ」   ため息混じりに僕が言うと、嶺ちゃんは笑顔で手作りの料理をほうばった。   まさか、嵌められた?   「つか、お前の為のパーティなのに、お前が自分で料理作るのな」   「あ……」   嶺ちゃんの一言で、僕は一気に脱力した。   言われて見れば確かにそうだ。 なんで自分で作ったんだろ。 どうせなら出来合いの惣菜でも買えばよかった。   更に深いため息をつきながら僕は椅子に腰掛ける。   嶺ちゃんは言ってしまった事を後悔しているのか、うなだれていた。   暫く、場には重い空気が流れていた。   「千緒さん遅いな」   それに耐え兼ねた嶺ちゃんが口を開いた。   「確かに。あの人何してるんだろ」   ――折角作った料理が冷めちゃう。   そう続けようとした瞬間。いきなりドアが開いた。   「ただいま」   そこには、千緒さんが両手に買い物袋を提げて立っていた。   「お帰りなさい」   僕は安堵の表情を浮かべて、言った。   「お邪魔してまーす」   嶺ちゃんは相変わらずの態度で挨拶をしていた。   「媛斗のエプロン姿……。料理している後ろから抱きしめたくなるな」   千緒さんは鼻息を荒くさせながら恐ろしいことを呟いていた。   「確かに。更に言えば制服の上にエプロンですよ。それなら俺、死んでもいいっす」   千緒さんの発言に嶺ちゃんが乗っかってきた。 ややこしくなりそうだ……。   「ふむ。一度やらせてみるか」   ビニールの袋をテーブルに置きながら、千緒さんは呟いた。
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