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カフェの階段を降り、ビルのガラス戸を押し開く。
冷たい空気に首をすくめながら通りに出ると、左手の時計に視線を落とした。
そろそろ、藤崎が来る頃だ。
みずきは顔を上げ、車道の向こうに目をやる。
「あ……」
横断歩道の先、信号待ちの人混みの中に探していた姿を見つけ、みずきは声を上げた。
信号が青に変わる。
一斉に流れ出す人波、駆け出そうとして、みずきは足を止めた。
藤崎の隣に千夜子がいた。
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