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神様の気まぐれか、日頃の行いのお陰か、単なる偶然か(多分最後だ)、仕事はサクサク片づいて、菜穂は5時10分のカウントダウンと共に姿を消した。
みずきも書類を片付け、机の鍵を閉める。
「お先に失礼します」
周りに声をかけて、部屋を出た。
千夜子はまだパソコンに向かっていた。数日前の「涙」の理由は聞けないままだ。
ロッカールームでワンピースに着替え、メイクを直し、髪を解く。
鞄の中のピアスとネックレスをつけ腕時計を見た。
約束まで1時間。
待ち合わせの場所はここから10分程だ。
(ちょっと早かったかな……)
みずきは浮かれる気持ちを抑えながら、イルミネーションに輝く通りを東に向かった。
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