みずきの場合

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待ち合わせ場所のカフェは、通りに面したビルの2階にあった。 考える事は皆同じらしく、ほぼ満席。みずきは窓際のカウンター席に座り、ミルクティーを注文した。 窓からは、通りを歩く人達がよく見える。 そわそわと、人待ち顔の青年、携帯を何度もチェックする少女、プレゼントを抱え、満足げな子ども達…… 上からの視線に、人は案外気づかないものだ。 みずきはカップを両手で包み、傾ける。温くなった紅茶を飲み干し、店の奥にある時計を見た。 長針は、頂点から少し傾いたところ。 文庫本を取りだそうと鞄を開けた瞬間、テーブルに置いた携帯が震えた。 『ゴメン、今終わった。後20分程でつく』 慌てて送ったらしいメール……みずきは小さく微笑んで、携帯を閉じた。
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