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帰りはクールダウンを兼ねて歩いて帰っている。家まで大体50分だ。
「あー疲れた。隣のクラスの…名前忘れたけどまじでキモいんだけど。」
…美樹だ。美樹が帰って来た。
「なんかあった?」
「なんか朝あたしにこの本面白いから読んで?って持ってきたのよ。それから休み時間の度にあたしに感想を聞いてくるの。」
「うわ…そりゃだるいな」
「でしょ?そんなに早く読めるかっつーの。」
そういって大きな溜息をついた。やっぱり人気あるんだなと思う。
「そんなのが俺の彼女なのか…」
「え?何か言った?」
「ん、いや。なんでもない。」
「そう?ならいいけど。それよりも、二人乗りしたい!」
「まじかよ…結構疲れてるんだけどな…」
「大丈夫大丈夫!はい!」
そういって自転車を差し出してくる。
こうなったら腹くくるしかないか。
ハンドルを受け取り、自転車にとりあえず乗る。
「はい、頑張って!」
そういって美樹は荷台に横乗りした。
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