いざ、出陣。

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疲れなんか気にせず俺はゆっくりとペダルを漕いだ。 周りは田んぼだらけで誰もいない。人の気配もない。 「ねぇ」 「あ?」 「その…もたれちゃってもいい、かな?」 「は!?」 思わず胸の鼓動が強くなり、顔が熱くなる。 恐らく美樹も同じだろう。 二人乗りすることは今までに何回かあったけど、こんな展開は初めてだ。 「まぁ…こんな背中でいいなら…どうぞ?」 「こんな背中がいいの。」 そういって美樹がもたれかかってきた。 …やばい。 俺今絶対ニヤけてる。 「…頑張ってね。」 「ん?」 「明日、晴れたらいいね。」 「普通に晴れるだろ?」 「そうなの?」 「いや、わかんない。」 「何よそれ」 そんな話で笑い合いながら家に帰った。 今日の帰り道はいつもより短く感じた。…もっとゆっくり帰ればよかった。 そして、あっという間に時間は流れついに最後の大会。 市総体の日がやってきた。
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