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あれから2ヶ月が経ち。俺の右足ほぼ完治していた。
「悠!」
「んんー…もう飯は食ったって」
「なに寝ぼけてんの!」
「だはっ!」
前にも感じた事のある痛み…目を開けると美樹がいた。
そして腹の上には鞄。
「もう!早く学校に行くよ!」
「…今何時?」
「7時40分。」
「…っまじかよ!」
ベッドから飛び起き、トレーニングウェアに着替え、寝癖を直し出発の準備をした。
「いってきます!」
「おじゃましましたぁ」
そういって家を飛び出した。
退院したあと何日かは車で送ってもらったが、足が完治してからは前と同じように走って学校に行くことにした。
特に理由はない。
でも、これが俺にとっては普通なんだ。
美樹はあれ以来、何故か俺の事を『悠』と呼ぶようになった。理由は教えてくれない。まぁそんなに気にしてないけど。
「まったく…終業式の日に寝坊するとは思わなかった」
「朝弱いんだって…」
「弱すぎ!」
そういって俺を睨みつける。
とそこで
「あ、松下君おはよう!暑いのによく走るねぇ?」
「んー…慣れてるからね。」
「ほんと尊敬するよ…。じゃあまた後でね」
「またねー」
そう言ってすーっとクラスメイトは走り去って行った。
「悠…」
…またかっ!
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