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「あんたって奴は…何回言えば」「滝口さんおはよう!」
美樹が俺に怒りをぶつけたと同時に佐藤健太が美樹に挨拶をした。
「うるさい!!」
「ヒィイィイイイ?!」
「あ!ごほっごほっ!さ、佐藤君おはよう♪」
「ど、どうしたの?」
「なんでもないよ?気にしないで♪」
「う、うん…」
そのやり取りを聞いて、俺は笑いを堪えるのに必死だった。
…今のうちにちょっと距離を空けておこう。
そう思ってペースを上げた。
……いつまで経っても追い付いてこない。後ろを振り返ると佐藤と美樹が楽しそうに話をしている。
これはこれで嫌だな…。
そう考えていると佐藤が満面の笑みで俺の前を走り去った。
それに美樹が不機嫌そうな顔で近づいてくる。
何も言わない。なんか気まずい。
「…何話してたんだよ?」
美樹の表情が一気に明るくなる。しまった!墓穴を掘った!
「気になるの?」
かなりニヤニヤしている。
「…別に!」
「素直に認めたらぁ…教えてあげてもいいけど?」
「何を認めたらだよ?」
「佐藤に嫉妬したでしょ?」
横に来て覗き込むように俺の顔を見てくる?
「くっ…」
やばい…どうしたらいいんだ?
「もしかしたら…夏休みに悠とは遊べないかもね」
「しました!嫉妬しました!」
…美樹には勝てない。
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