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「なんてね。嘘に決まってるじゃない」
「なんだよそりゃ…」
「当たり前じゃない!あんなうじうじした奴とあたしが遊ぶと思ってるの?」
確かに納得だ。佐藤だと美樹には堪えられないだろう。パシリにされて逃げ出すのがオチだ。
「それに、今年もおじさんのとこ行くんでしょ?」
「あぁ…そういえばそんな時期だな」
俺には超お金持ちのおじさんがいる。貿易関係の仕事だとか。
そのおじさんが海の近くに別荘を建てていて、夏休みになると俺に貸してくれる。美樹は小学生4年生ぐらいから来るようになった。
「それにしても…別荘貸してくれるっておじさんどうかしてるよ?」
「まぁ日本にあるのは小さいから…とか言ってたからな。それにうちの親もいるし。」
「日本にあるのは、って…。あ、それよりも」
「ん?」
「今年は二人で行こうね」
「はぁ!?」
当然でしょ?とでも言うように、不思議そうな目で見てくる。
「おい、拓也とかどうすんだよ?」
「あたしよりも植島君達を取るんだ?」
「うっ…」
「そっか…彼女よりも友情なんだね。」
美樹が悲しそうに言う。
「分かった!分かったって!…今年は二人で行こう」
「それでいいのよ♪」
そんな話をしている内に学校についた。
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