夏休み!?

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「ついたね♪はい、荷物♪」 美樹猫に素早く切り替え、俺に荷物を渡してくる。 「サ、サンキュ」 「自転車置いてくるから、待っててね♪」 「はいはい…」 「滝口さぁん!おはよー!」 「おはよ♪」 あの事件以来、何人かは俺達が付き合っているということに気付いた人が増えた。まだ大半が知らないままだけど。 こういうときに、幼なじみは楽だなと思う。 「お待たせ!じゃあいこっか♪」 作り笑顔だが、顔が良いのでとても可愛く見える。 「どーしたの?」 「なんでもない。行こう」 そういって教室に行き、荷物を置いて着替えをするためにトイレへ向かった。 「おっす、悠紀!」 「拓也か…」 拓也は市総体以来、妙に明るくなった。 さて、どうやって断ればいいのか。罪悪感のせいでうまく話ができない。 「悠紀、あのさ!夏休みのことなんだけど…」 …来た。すまん、拓也!俺にはどうすることもできないんだ…。 「俺今年は無理になった!わりぃな!」 そう言ってにかっと笑う拓也。肌が黒いので、歯が一際光って見える。 「…へ?」 「今年は忙しいんだ!あんないいとこ、行けないのは残念だけどな…」 なんだかよく分からないが、とにかく断る手間が省けた! 「そ、そうか。そりゃ残念だな」 そう言って逃げるようにトイレを飛び出し、席に着くとチャイムが鳴った。
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