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死んだはずのおじいちゃんと握手をしそうになった瞬間、美樹がホールドを解いた。
「ごほっ、ごほっ」
久しぶりのシャバの空気は美味しかった…
という余裕は当然無く。
「ほんと…フラれちゃうかと思ったんだからね…」
美樹がその場に座り込む。
「フラれたらどうしようとかってずっと考えてたんだから!」
「ごめん。ただまぁ…こっちにもいろいろとあるんだ」
「いろいろって…なに?」
美樹が猛獣のような目になる。
「そ、それは…言えない。」
「なんで?」
「言えないから。」
あーもうめんどくせー。
「まぁ…オッケーしてくれたからなんでもいいよ。」
お?これはなんか意外な展開。
「幼稚園から一緒だけど、これからもよろしくね」
そういって美樹が右手を差し出す。
その右手と握手して僕はいった。
「こちらこそ。」
この決断のおかげで…今まで静かだった生活が変わってしまった。
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