始まってしまった夜

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―俺は死んだのか?光が全く見えない。音さえ聞こえない。 むしろ、生を感じない。俺だけじゃなく、この空間に。 これが死後の世界か。地獄の方が良かったかもな。ここは何も無さすぎて気が狂っちまう。 ―どれだけの時が流れたのか。時間を数えていたが、途中で止めた。まるで永遠の時を過ごしてるようだ。 誰か俺を殺してくれ!俺の意識を!これ以上狂っちまう前に、俺を殺して救ってくれよ!なぁ、誰か。 ―タスケテヤロウカ?― ついに幻聴まで聞こえてきたか。あぁ、助けてくれよ!本当に出来るんだったらな! ―デキルゾ。タダシ、ジョウケンハアルガナ。ソレデモイイナラタスケテヤロウ。― 条件?どうでもいい!この狂いそうな空間から早く俺を助けろ!そうすりゃ、悪魔とでも何でも契約してやるよ! ―イイダロウ。ソノコトバ、ワスレルナヨ?― その瞬間俺は何かに引き寄せられた。俺の向かってる先には光があった。光に近づくにつれ、意識が薄れてきた。俺の意識が消える前に確かに声が聞こえた。 ―コレカラキサマハワガハイノシモベダ!エイエンニナ。―
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