キスミント

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"かばん"を聴きながら駅へ着いた。 一応傘はさしていたものの、100均の傘じゃ小さすぎて、二人とも肩の辺りが濡れていた。 あたしは胴着、そして浩太の肩をハンカチで拭った。 「よかった、間に合ったね」 「あ、これやるよ」 浩太がくれたものは… キスミントのピーチミントだった。 それは浩太が一番気に入っていた味だった。 「ありがと…」 「電車、来たぞ」 山沿いの町を走る電車らしく、黄緑色の電車がホームへ入ってきた。
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