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浩太はすぐに寝息をたて出した。
"ほんとに疲れてるんだ…"
そんな風に思いながら、浩太の傷やマメだらけの手を見つめ、ぼろぼろの竹刀の袋を握りしめた。
周りの大人達はとても賑やかで、楽しそうだった。
「う…ん…」
浩太の体は腕組みしながらゆっくり倒れていく。
"え…!?ちょ、ちょっと!!"
そして浩太の頭はあたしの左肩に倒れてきてしまった。
あたしは恥ずかしさと緊張で、真っ赤になっていた。
周りの大人達にはカップルの様に見えているのかな…
左肩だけが熱をもって、ひりひりするような、びくつくような……
やり場のない感情に、ただ竹刀を抱きしめる事しかできなかった。
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